情報セキュリティ対策とは?対策方法と被害例を攻撃の種類別に徹底解説

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「情報セキュリティ対策とは何か?具体的なリスクや対策方法を知りたい」という疑問がある方もいるでしょう。

情報セキュリティ対策とは、機密性・完全性・可用性の三大要素を軸に、技術的対策・物理的対策・人的対策を組み合わせて情報資産を守る取り組みです。

ウイルス・マルウェア感染や不正侵入、情報漏洩などの脅威から組織を守り、金銭損失や信頼喪失、事業停止といったリスクを回避できます。

この記事では、情報セキュリティ対策の基本要素やリスク、攻撃種類別の対策方法、有効なツール・システムについて解説します。

目次

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  1. 情報セキュリティ対策とは
  2. 技術的対策
  3. 物理的対策
  4. 人的対策
  5. 情報セキュリティ対策で重要となる三大要素
  6. 機密性(Confidentiality)
  7. 完全性(Integrity)
  8. 可用性(Availability)
  9. 情報セキュリティ対策を怠った場合の具体的リスク
  10. 金銭の損失
  11. 顧客からの信頼喪失
  12. 社会的信用の低下
  13. 事業の停止
  14. 加害者になる
  15. 情報セキュリティリスクの被害例
  16. ウイルス・マルウェア感染
  17. 不正侵入
  18. 情報漏洩
  19. ヒューマンエラー
  20. 災害などによる障害
  21. 【攻撃の種類別】情報セキュリティリスクの対策方法
  22. ウイルス・マルウェア感染の対策方法
  23. 不正侵入の対策方法
  24. 情報漏洩の対策方法
  25. ヒューマンエラーの対策方法
  26. 災害などによる障害の対策方法
  27. セキュリティ対策を実施するときのポイント
  28. パスワード管理の徹底
  29. セキュリティポリシーの策定
  30. 社員教育の徹底
  31. ウイルス・セキュリティソフトの導入
  32. テレワークへの対応
  33. 不正アクセスの早期発見
  34. デバイスのアップデート
  35. 多要素認証の導入
  36. ゼロトラストの採用
  37. 情報セキュリティ対策に有効なツール・システム
  38. ファイアウォール
  39. WAF
  40. IDS/IPS
  41. EDR
  42. SIEM
  43. まとめ

情報セキュリティ対策とは

情報セキュリティ対策とは、パソコンやネットワーク上で扱う情報の安全を守るために講じる施策です。

コンピューターウイルスやフィッシング詐欺などによる情報流出への対策はもとより、機密情報資料の放置や、紛失・盗難など情報漏洩や犯罪に繋がる行動などに対する施策も含まれます。

このように情報セキュリティ対策の範囲は多岐に渡りますが、情報セキュリティ対策を大きく分けると主に以下の3つに分類されます。

  • 技術的対策
  • 物理的対策
  • 人的対策

以下、それぞれについて詳しく解説します。

【関連記事】情報セキュリティとは|基本の3要素と4つの追加要素・企業が行うべき対策

技術的対策

技術的対策とは、ハードウェア面もしくはソフトウェア面からセキュリティ設定を強化する対策のことを指します。例えば、ファイアウォールの設定変更、アクセス権限の制限、ウイルス対策ソフトの導入などです。

オフィスであっても自宅であっても、常にインターネットに繋がっている状態が当たり前になった昨今では、昼夜問わず犯罪グループが企業の機密情報や個人情報を狙っています。そのような犯罪からの脅威に対して、技術的対策を用いて防ぐ必要があるのです。

物理的対策

物理的対策とは、物理的な機器・設備を導入したセキュリティ対策のことです。

例えば、入室時の指紋認証やパスワード認証、監視カメラの設置、パソコンのワイヤーロックや鍵付きキャビネットの導入などです。社員IDを首から下げることも物理的対策といえます。

情報はパソコンの中だけではなく、紙媒体やCDやDVDといった記憶媒体としても存在し、それらの媒体を盗まれたり、覗き見られたりすることで情報が漏洩してしまう可能性も低くはありません。

そのため、部外者が容易にオフィスに入れない、入っても情報の閲覧や持ち出しを防ぐ対策が必要です。

人的対策

人的対策とは、内部から生じる情報漏洩への対策のことです。この原因のほとんどが、社員や関係する業者からのミスや不正によるものだからです。

実際に、メールの誤送信で個人情報が社外へ漏れてしまった事例や、機密情報が入ったカバンを盗まれたあるいは紛失した事例、社員が機密情報や個人情報を他者へ売った事例などが多数あります。このような事例は決して他人事ではなく、明日にでも自社で起こるかもしれません。

人的要因で生じるセキュリティリスクに備える施策では、操作手順をマニュアル化してミスを防止する、社員教育で情報リテラシーを向上させるなどが挙げられます。

【関連記事】PPAPとは?問題視される4つの理由と代替案、効果的な対策方法を徹底解説

情報セキュリティ対策で重要となる三大要素

情報セキュリティでは機密性・完全性・可用性の確保が不可欠であり、これら3つの要素を適切に保つことが求められます。以下、三大要素の詳細について解説していきます。

機密性(Confidentiality)

機密性とは、許可された者のみが情報にアクセスできる状態を保つことであり、企業の営業秘密や顧客データを不正な閲覧から守るために欠かせません。

適切なアクセス権限の設定とパスワード管理の徹底が、情報保護の第一歩となります。

暗号化技術の活用は特に効果的で、AES256などの強固な暗号方式を採用すれば、万が一データが流出した場合でも内容の解読を極めて困難にできます。

完全性(Integrity)

完全性とは、情報が改ざんや破損されていない正確な状態を維持することです。

ハッシュ値を用いた整合性チェックやブロックチェーン技術の活用によって、データの変更や改ざんを即座に検知し、情報の真正性を担保する仕組みが構築されています。

また、デジタル署名は送信元の正当性と内容の真正性を同時に保証する技術であり、電子契約において不可欠な役割を果たします。

可用性(Availability)

可用性とは、必要なときに必要な情報・システムを利用できる状態であることを指します。定期的なバックアップの取得や、UPS(無停電電源装置)の導入が基本的な対策です。

クラウドサービスを活用した災害復旧環境の構築も有効で、大規模災害時でも事業継続を可能にする強靭なインフラを実現できます。

なお、情報セキュリティの基本要素と追加要素の詳細は以下の記事で詳しく解説しています。

【関連記事】情報セキュリティとは|基本の3要素と4つの追加要素・企業が行うべき対策

情報セキュリティ対策を怠った場合の具体的リスク

セキュリティ対策の不備は企業に深刻な損害をもたらす危険性があり、経営基盤そのものを揺るがしかねません。以下、主要なリスクとその影響について詳しく解説します。

金銭の損失

サイバー攻撃によって直接的な経済損失が発生する可能性があります。

ランサムウェアの身代金要求額は年々高額化しており、数千万円から数億円に達するケースも珍しくありません。

また、システム復旧にかかる専門業者への委託費用も企業にとって大きな負担となります。

セキュリティ事故対応のための人員確保や残業代など、見えないコストも積み重なっていくため、高度な情報セキュリティ対策が求められます。

顧客からの信頼喪失

セキュリティ対策不足による個人情報の流出は、顧客との信頼関係を著しく損なう結果を招き、ビジネスの根幹を揺るがします。

特にクレジットカード情報や医療記録など、センシティブなデータの漏洩は深刻な不信感を生み出してしまいます。

一度失った信頼を取り戻すには、セキュリティ強化への投資だけでなく長期的な信頼回復活動が必要となり、多大なコストと時間を要するでしょう。

社会的信用の低下

セキュリティ事故の発生は企業の社会的評価を大幅に下げ、長期的な影響を及ぼします。メディアで大きく報道された場合は、管理体制の甘さが広く認知されてしまいます。

優秀な人材の採用が難しくなるだけでなく、既存社員のモチベーション低下も避けられず、組織全体の生産性が低下するリスクがあるのです。

事業の停止

重大なサイバー攻撃により事業全体が停止するリスクも考えられます。復旧までの期間が長期化すれば、顧客離れが加速し、市場シェアを大幅に失うリスクが高まります。

最悪の場合、復旧費用が企業体力を超えて倒産に至るケースもあるため、事前の情報セキュリティ対策は必須です。

加害者になる

自社システムが踏み台として悪用されるリスクは、想像以上に深刻な問題です。

ボットネットに組み込まれたサーバーから知らないうちにDDoS攻撃が実行され、他社に甚大な被害を与える危険性があります。

この場合、被害企業からの損害賠償請求や法的責任を問われる可能性があり、ビジネス活動に大きな支障をきたします。

情報セキュリティリスクの被害例

実際の被害例を理解することで、リスクの深刻さを認識できます。以下、さまざまな攻撃パターンとその影響を具体的に解説します。

ウイルス・マルウェア感染

ウイルスやマルウェアの感染により、組織全体の業務が麻痺する事態が発生しています。代表的なウイルス・マルウェアは以下のとおりです。

▼代表的なウイルス・マルウェア

  • トロイの木馬
  • スパイウェア
  • ランサムウェア
  • スケアウェア
  • ワーム

例えば、ワーム型マルウェアはネットワークを通じて自己複製を繰り返し、短時間で社内システム全体に感染が拡大します。

最悪の場合、システムファイルの破壊により完全に起動不能となり、データの復旧に数週間を要することもあります。ウイルスやマルウェアの詳細については以下の記事をご確認ください。

【関連記事】コンピューターウイルスの種類一覧|感染経路や被害事例についても紹介

【関連記事】マルウェアとは?種類や感染経路、感染した場合の症状や対処法を解説

不正侵入

外部からの不正アクセスで内部情報が盗取されるケースが後を絶ちません。

不正アクセスによってデータベースから数百万件の顧客情報が一度に流出した事例が、国内外で相次いで発生しています。

また、社内ネットワークに侵入されて機密情報を抜き取られたり、管理者権限で自由にシステムを操作されたりするケースもあります。

サイバー攻撃の一種であるAPT攻撃では、数ヶ月から数年にわたって潜伏し、継続的に情報を盗み出す高度な手法が使われ、発見までに長期間を要することが特徴です。

不正侵入・不正アクセスについては以下の記事で詳しく解説しています。

【関連記事】不正アクセスとは?代表的な手口と被害に遭わないための対策

情報漏洩

顧客の個人情報が外部に流出することで、深刻なプライバシー侵害が発生し、企業への信頼が大きく損なわれます。クラウドストレージの設定ミスで数十万人分のデータが公開された事例があります。

USBメモリの紛失や盗難で暗号化されていないデータが流出する事故も後を絶ちません。

委託先企業からの情報流出により、自社は適切に管理していても被害を受ける場合があるため、サプライチェーン全体でのセキュリティ対策が求められます。情報漏洩の脅威については以下の記事をご確認ください。

【関連記事】情報漏洩が起こる原因や具体的なリスクとは?企業向けの対策も解説

ヒューマンエラー

従業員の操作ミスが原因で、取り返しのつかない事態に発展するケースもあります。

例えば、メール送信時のBCCとCCの設定間違いで、数千人分のメールアドレスが一斉に流出した事例などが報告されています。

パスワードを付箋に書いてモニターに貼る行為が不正アクセスの原因となった事例も存在し、基本的なセキュリティ意識の欠如が大きな問題となっているのです。

災害などによる障害

最近は技術の進歩も相まって機器の故障は少なくなりましたが、それでも平常時の故障や災害による障害は避けられません。

自然災害でデータセンターが被災すれば、長期間にわたってサービス提供が困難になり、事業継続に深刻な影響を与えます。

また、大規模地震や豪雨、落雷によってサーバー機器や電源設備が物理的に破壊され、バックアップシステムへの切り替えが間に合わないケースもあります。

【攻撃の種類別】情報セキュリティリスクの対策方法

攻撃手法に応じた適切な防御策を実施することが、セキュリティ対策の基本となります。ここでは、主要な脅威に対する効果的な対策を種類別に詳しく解説します。

ウイルス・マルウェア感染の対策方法

最新のアンチウイルスソフトと定義ファイルの更新は基本中の基本です。怪しいメール添付ファイルの開封を避け、送信元不明のリンクはクリックしない習慣を組織全体で徹底させましょう。

また、サンドボックス環境での事前検証システムを構築すれば、未知のマルウェアも安全に解析でき、被害を未然に防げます。

定期的なフルスキャンの実施とリアルタイム保護機能の有効化、脆弱性診断などもマルウェア対策に有効です。マルウェア対策の詳細については以下の記事で解説しています。

【関連記事】マルウェアの対策方法とは?感染前後の対処法を詳しく紹介!

不正侵入の対策方法

定期的なセキュリティパッチの適用は、既知の脆弱性を解消する最も確実な方法といえるでしょう。自動更新機能を活用し、常に最新の状態を保つことが大切です。

また、強固なファイアウォール設置で不正通信を水際で遮断する対策も効果的です。

中でもWAFを導入すれば、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングといったサイバー攻撃の不正侵入を検知でき、不正アクセスをブロックできるようになります。

VLANによるネットワーク分離も有効で、万が一侵入された場合でも被害の拡大を最小限に抑えられます。

情報漏洩の対策方法

アクセス権限の細分化を図り、職務に応じた必要最小限の情報のみ閲覧可能にする体制が情報保護の要となります。データ暗号化で流出時の被害を最小限に抑えることも重要です。

退職者アカウントの即時無効化や定期的な権限棚卸しは、内部からの情報漏洩リスクを大幅に削減します。

また、USBデバイスの使用制限やクラウドストレージへのアップロード監視など、複数の対策を組み合わせることが効果的です。

ヒューマンエラーの対策方法

ヒューマンエラーの対策としては、定期的なセキュリティ教育・訓練が有効です。

従業員のセキュリティ意識向上を図ることで、宛先間違いや添付ファイルの誤送信など、ヒューマンエラーによるセキュリティリスクを軽減できます。

また、インシデント発生時のエスカレーションルールを明確化することで、トラブルが起きても迅速な対応で被害を最小限に抑えられます。

災害などによる障害の対策方法

複数拠点でのシステム運用により、1つの拠点が被災しても事業継続性を確保する体制構築が急務となっています。データの定期バックアップは障害時の迅速な復旧を可能にします。

その他、BCP(事業継続計画)の策定と定期的な訓練実施で、実際の災害発生時にも冷静に対応できる組織力を養うことも重要です。

自家発電設備やUPSの導入、耐震・免震構造のデータセンター選定など、物理的な対策も併せて実施しましょう。

セキュリティ対策を実施するときのポイント

情報セキュリティ対策を実施するにあたり、技術的対策・物理的対策・人的対策の3つが必要です。

ここでは、その中でも押さえておくべきポイントを9つ解説します。

パスワード管理の徹底

セキュリティ対策を実施する際は、パスワード管理の徹底を強く意識しましょう。パスワード管理においては、予測困難なパスワードを使用することがポイントです。

「123456」や「password」などの単調なパスワードを避け、英数字と記号を組み合わせた12文字以上のパスワードを設定すると良いでしょう。

また、同じパスワードの使い回しを避ける、定期的にパスワードを変更するなどの対策も有効です。パスワード強度の確認方法については以下の記事で解説しています。

【関連記事】パスワードの強度を確かめる方法|危険なパスワードと安全性を高める方法

セキュリティポリシーの策定

組織全体で統一されたセキュリティ基準を定めることで、従業員の行動指針が明確になり、セキュリティレベルの底上げが図れます。

違反時の処分規定も含めて、情報の取り扱いルールや緊急時の対応手順を明文化しましょう。

全従業員への周知徹底と継続的な教育により、セキュリティポリシーが組織文化として定着し、自然と安全な行動が取れるようになります。情報セキュリティポリシーについては以下の記事で解説しています。

【関連記事】情報セキュリティポリシーとは?策定する目的・メリット、運用方法を解説

社員教育の徹底

パソコンであれば適切な対策を講じることで情報セキュリティはある程度防げますが、実際にパソコンを使う社員の教育にも目を向ける必要があります。

研修や勉強会などを開催し、サイバー犯罪の脅威や実際の人的な情報セキュリティ被害事例などを伝え、全社員に情報セキュリティに対する意識を持たせることが重要です。

また、内部からの情報流出などの内部不正も後を絶たないため、機密情報など会社の情報を扱う上でのモラルやリテラシーについても教育を徹底する必要があります。

社内での教育が難しい場合は、外部から講師を招く、あるいは外部のセミナーや講座へ参加させる方法も効果的です。情報セキュリティマネジメント試験などの資格取得を通して、知識を習得させる方法もあります。

ウイルス・セキュリティソフトの導入

コンピューターウイルスや不正アクセスなどを検知およびブロックするためには、社内に設置されているパソコンや社員が利用するパソコンに対して、ウイルス対策ソフト、ファイアウォールソフト、WAFなどの導入が有効です。

最近では無料のセキュリティソフトも多く出ていますが、無料のソフトはサポートを受けられない可能性が高い点に注意しましょう。

セキュリティが誤作動を起こしてデータを削除してしまうなど、ソフトの不具合やトラブルが生じたときにも対応してもらえず、業務が遅延する恐れがあります。

テレワークへの対応

企業が貸与しているパソコンであっても、個人で利用しているパソコンであっても、セキュリティ面が不十分だとコンピューターウイルス感染やアカウント情報の抜き取りなどが起こりえます。セキュリティソフトの導入を徹底することが重要です。

また、自宅以外で作業を行う場合は、パソコンの紛失や盗難、第三者による直接的な盗み見、公衆Wi-Fiの利用によるネットワーク上での盗み見なども懸念されます。

これらのリスクに対する施策では、端末に生体認証を設定する、HDDやSDDを暗号化する、遠隔で情報を削除できるツールをインストールしておくなどが挙げられるでしょう。

また、覗き見防止用の画面フィルターを利用する、暗号化されていないネットワークを使用しない、席を立つ場合はロックをかけるなど、テレワークにおけるルール整備も必要です。

内部不正による社内情報の抜き出しもオフィスにいるときよりも容易になってしまうため、機密情報についてはアクセスできる社員を制限し、アクセス履歴を保存しておくといった事前の対策も有効です。

不正アクセスの早期発見

ファイアウォールを導入している企業であれば、定期的なアクセスログの確認やログの保存を行うと、不正アクセスを早期に発見しやすくなります。

また、不正な通信であってもファイアウォールをすり抜ける可能性もあるため、IDS(不正侵入検知システム)を併用すると安心です。IDSにあらかじめ侵入パターンを登録しておくと、その方法で侵入しようとする通信があれば検知します。

さらに、IDSは通常時には生じない異常なパケットが見られた場合も検知するため、不正アクセスの早期発見が可能になるのです。

デバイスのアップデート

意外と見落としがちなのがデバイスのアップデートです。デバイスのアップデートは、不具合の解消だけでなく脆弱性の改善といったセキュリティにとって重要な更新も含まれていることが多いため、定期的なアップデートを心がけましょう。

アップデートの内容は、パソコンやモバイル端末であればOSのアップデートやパッチの適用、セキュリティ機器であればファームウェアのアップデートなどです。

ただし、適用したアップデートが原因で不具合が生じることもあるため、端末とデータのバックアップを行っておくことを推奨します。

多要素認証の導入

生体認証やワンタイムパスワードなど、パスワード以外の認証要素を追加することで、なりすましのリスクを低減できます。

知識情報・所持情報・生体情報の3要素から、環境に合った適切な要素を選択しましょう。

スマートフォンアプリを使った認証は導入コストが低く、多くの企業で採用されている効果的な手法です。特に重要システムへのアクセスには、多要素認証を要求する設定が不可欠です。

多要素認証のメリットや活用方法については以下の記事で詳しく解説しています。

【関連記事】多要素認証(MFA)とは?二要素認証・二段階認証との違いやメリットを解説

ゼロトラストの採用

ゼロトラストとは、全ての通信を疑い常に検証を行う考え方のことで、従来の境界型防御の限界を克服する新たなアプローチです。内部ネットワークであっても信頼せず、継続的な監視を実施します。

デバイス認証、ユーザー認証、アプリケーション認証を組み合わせた多層的な検証により、不正アクセスのリスクを最小化できます。

クラウド時代のセキュリティモデルとして、リモートワーク環境でも安全性を保ちながら業務効率を維持できる仕組みといえるでしょう。ゼロトラストの詳細は以下の記事をご覧ください。

【関連記事】ゼロトラストとは|その意味やセキュリティ対策のポイントをわかりやすく説明

情報セキュリティ対策に有効なツール・システム

適切なセキュリティツールの導入により、効率的かつ効果的な防御体制が実現します。以下、代表的なツールとその特徴を詳しく解説します。

ファイアウォール

ファイアウォールは、許可された通信のみを通過させる基本的なセキュリティツールとして広く普及しています。ポート番号やIPアドレスによるフィルタリング機能が基本です。

次世代ファイアウォール(NGFW)では、アプリケーション識別機能やIPS機能も統合され、より高度な脅威への対応が可能になりました。

内部ネットワークと外部ネットワークの間に設置することで、多くのサイバー攻撃を水際で阻止できます。ファイアウォールの詳細は以下の記事で解説しています。

【関連記事】ファイアウォールとは?仕組み・種類・機能をそれぞれ解説

WAF

WAF(Web Application Firewall)とは、Webアプリケーションを狙った攻撃を防ぐシステムのことです。

通常のファイアウォールでは防げない脅威に対応し、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングなどを高精度で検出します。

シグネチャベースの検知に加え、機械学習を活用した異常検知機能により、未知の攻撃パターンにも対応できる点が特徴です。

Webサービスを提供する企業にとって必須のセキュリティツールであり、顧客データを守る最後の砦として重要な役割を果たします。

IDS/IPS

IDS(不正侵入検知システム)はリアルタイムでネットワーク上の異常な活動を監視し、IPS(不正侵入防御システム)は不正なアクセスや攻撃を検知・防御するシステムです。

ネットワーク上の通信内容を詳細に分析することで、通常のファイアウォールでは見逃してしまう巧妙な攻撃も発見できます。

また、SOCとの連携により24時間365日の監視体制を構築すれば、インシデントへの迅速な対応が可能になります。SOCについては以下の記事をご確認ください。

【関連記事】SOC(Security Operation Center)とは?主な業務内容や運用形態、構築する際のポイントを徹底解説

EDR

EDRとは、エンドポイントでの脅威を検知・対応するソリューションのことで、従来のアンチウイルスでは対処困難な高度な攻撃に対応します。

端末の詳細な動作ログを継続的に収集・分析し、マルウェアの侵入を検知したら、管理者に通知・対処方法を提案する仕組みです。

▼EDRが効果的なサイバー攻撃の一例

  • ランサムウェア
  • ゼロデイ攻撃
  • 標的型攻撃
  • ファイルレス攻撃

ファイルレス攻撃やゼロデイ攻撃など、シグネチャベースでは検知できない脅威も、振る舞い検知により発見できます。

リモートワークの普及により、エンドポイント保護の重要性が以前よりも高まっています。EDRの機能や選定方法については以下の記事をご覧ください。

【関連記事】EDRとは?EPPとの違いや機能・製品選びのポイントをわかりやすく解説

SIEM

複数のセキュリティ機器から収集した大量のログデータを統合管理し、相関分析によって潜在的な脅威を早期発見するシステムです。

機械学習を用いた相関分析により、内部不正や標的型攻撃の兆候を見逃さない仕組みが構築されています。

セキュリティオペレーションの自動化と効率化を推進し、限られた人的リソースでも高度なセキュリティ監視を実現できます。SIEMの詳細については以下の記事をご覧ください。

【関連記事】SIEMとは?主な機能と導入するメリット・デメリットを徹底解説

まとめ

情報セキュリティには機密性・完全性・可用性の確保が不可欠であり、ウイルス・マルウェア感染や不正侵入など多様な脅威への対策が必要です。

パスワード管理の徹底やセキュリティポリシー策定、ファイアウォールやWAF、SIEM等のツール導入といった多層防御が効果的です。

企業の情報資産と事業継続を守るためにも、包括的な情報セキュリティ対策を継続的に実施しましょう。

より強固なセキュリティ対策を構築したいとお考えでしたら、高度なセキュリティを備えた企業が提供するサービスを活用する方法があります。

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