VMC(企業ロゴ所有証明書)とは、送信メールに商標登録済みの企業ロゴを表示できるようにする電子証明書のことです。
なりすましメール対策やブランド認知の向上に効果的であり、送信元の信頼性を高める手段として注目されています。
一方で、商標登録とDMARC設定が必要になったり、継続的なコストが発生したりなどのデメリットが存在するのも事実です。
この記事では、VMCの基本やメリット・デメリット、取得までの流れを詳しく解説します。
目次
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VMC(企業ロゴ所有証明書)とは

VMC(Verified Mark Certificate:企業ロゴ所有証明書)とは、送信メールに商標登録済みの企業ロゴを表示できるようにする電子証明書のことです。
認証された送信者であることを証明し、受信者がメールの信頼性を視覚的に判断できるようにします。
フィッシングメールやなりすましメールが増加する中、送信元の信頼性を高める手段としてVMCが注目されています。
BIMIとの関係性
VMCは、BIMI(Brand Indicators for Message Identification)という規格と連携して機能する仕組みです。
BIMIはメールにブランドロゴを表示するための技術標準であり、DMARC認証と組み合わせて利用されます。
BIMIに対応したメールサービス(GmailやYahoo Mailなど)でVMCを導入することで、受信トレイに企業ロゴと認証済みマークが表示される仕組みです。
つまり、VMCはBIMIでロゴを表示するための「証明書」の役割を果たしています。
BIMIの詳細は以下の記事で解説しています。
CMCとの違い
VMCは商標登録済みのロゴが対象であるのに対し、CMC(Common Mark Certificate:先使用ロゴ所有証明書)は商標登録のないロゴでも発行可能です。
CMCは組織のWebサイトで1年以上使用されているロゴが対象となり、商標登録前でも導入できる点が異なります。
ただし、CMCでは認証済みマークが表示されないため、信頼性の証明という観点ではVMCのほうが優れています。商標登録の有無によって選択する証明書が変わるため、自社の状況に応じた判断が必要です。
VMCが必要とされている理由

近年、VMCの導入が企業の間で進んでいます。以下、VMCが必要とされている3つの理由を紹介します。
フィッシングやなりすましが増加傾向にある
企業や金融機関を装ったフィッシングメールが年々巧妙化し、受信者が騙されるリスクが高まっています。
偽のログインページへ誘導して個人情報を盗み取る手口や、マルウェアを仕込んだ添付ファイルを送りつける攻撃が後を絶ちません。
VMCを導入することで、受信者が正規のメールかどうかを視覚的に判断できるようになり、被害防止に繋がります。
メールマーケティングの競争が激化している
受信トレイには日々大量のメールが届くため、企業メールが埋もれてしまい開封されにくくなっています。どれだけ有益な内容のメールでも、開封されなければ意味がありません。
信頼性の高いメールであることを視覚的に示すことで、他社メールとの差別化が図れます。また、企業ロゴが表示されることで受信者の注目を集めやすく、開封率の向上が期待できます。
セキュリティ規制の強化が進んでいる
GoogleやYahooなどの主要メールサービス提供者が、送信者認証を義務化する動きを強めています。
2024年2月以降、5,000通/日以上のメールを送信する企業に対してDMARC認証の導入が求められるようになりました。
DMARC認証の導入が推奨される中、さらに一歩進んだセキュリティ対策としてVMCが注目されています。規制に対応しつつブランド価値も高められるVMCは、今後ますます重要性を増すでしょう。
VMCを取得するメリット

VMCを導入することで、メールセキュリティの強化とブランド価値の向上が実現できます。以下、VMC取得の具体的なメリットを解説します。
メールセキュリティの強化が図れる
第三者によるブランドロゴの不正利用を防ぎ、なりすましメールから顧客を守ることができます。
VMCを取得するには厳格な審査を通過する必要があるため、証明書が発行されていること自体が信頼の証となります。
DMARC認証と組み合わせることで、送信ドメイン認証とロゴ認証の両面から多層的なメールセキュリティ体制を構築可能です。
顧客がフィッシング詐欺の被害に遭うリスクを減らし、企業の評判を守ることにも繋がります。
企業ブランドの信頼性が向上する
受信トレイに企業ロゴと認証済みマークが表示されることで、ブランドの認知度と信頼性が高まります。正規の送信者であることが視覚的に証明されるため、受信者の安心感が向上します。
特に、初めて接触する見込み顧客に対しては、ロゴ表示が信頼性の担保として大きな役割を果たすでしょう。
継続的にロゴ付きメールを送ることで、ブランドイメージの定着にも貢献します。
メール到達率・開封率が上がる
DMARC認証とVMCの組み合わせにより、メールサービス側から「正規のメール」として扱われやすくなります。
信頼性の高いメールと認識されることで迷惑メールフォルダに振り分けられるリスクが減少し、結果としてメール到達率・開封率の向上に繋がります。
VMCを取得するデメリット

VMCの導入にはいくつかの課題があり、事前の準備と継続的なコストが必要です。以下、VMCを取得するデメリットを2つ紹介します。
商標登録とDMARC設定が必須となる
VMC取得には、商標登録済みのロゴとDMARCポリシーの「quarantine」または「reject」への引き上げが必要です。DMARC設定には専門知識が求められるため、自社対応が難しい場合もあります。
また、商標登録には出願から登録まで数ヶ月から1年程度かかる場合があり、すぐに導入できるわけではありません。
継続的なコストが発生する
VMCは年額制の証明書であり、毎年の更新費用が発生します。複数ドメインでロゴを表示したい場合には、ドメインごとに追加コストがかかるため注意が必要です。
ロゴファイルの形式変換(SVG Tiny 1.2形式)や、DMARC設定代行を依頼する場合、さらに費用が増加する可能性があります。
費用対効果を慎重に検討し、自社のメールマーケティング戦略に見合った投資かどうか判断することが重要です。
VMCを取得するまでの流れ

VMCの取得には事前準備から証明書発行まで複数のステップがあり、計画的な進行が必要です。ここでは、VMC取得の流れを詳しく解説します。
▼VMCを取得するまでの流れ
- 認証局に申請する
- 認証局による審査を受ける
- 証明書が発行される
- BIMI設定とDNSレコード登録を行う
認証局に申請する
商標登録済みのロゴとSVG Tiny 1.2形式のロゴファイルを準備し、認証局に申請書類を提出します。申請時には組織情報、商標登録証明書、ドメイン情報などが必要です。
ロゴファイルの形式が指定されているため、デザインデータを変換する作業が必要になる場合もあります。
認証局による審査を受ける
認証局がEV SSL証明書と同等の厳格な審査を実施し、ロゴの所有権と組織の実在性を確認します。
主な審査内容としては、商標登録の有効性、ドメインとロゴ所有者の一致、組織の法的実在性などが挙げられます。
不備があった場合は追加書類の提出を求められるため、余裕を持ったスケジュールで進めましょう。
証明書が発行される
審査に合格すると、最大397日間有効なVMC証明書が発行されます。発行された証明書をメールシステムに設定することで、ロゴ表示の準備が整います。
有効期限が近づいたら更新手続きを行う必要があるため、証明書の期限管理を徹底しましょう。
BIMI設定とDNSレコード登録を行う
証明書発行後、BIMIレコードをDNSに登録して、ロゴファイルの場所と証明書の情報を公開します。設定には技術的な知識が必要なため、社内のIT部門や外部の専門家に依頼すると安全です。
設定完了後、対応メールサービス(GmailやYahoo Mailなど)で実際にロゴが表示されるかテストを実施します。
正しく表示されない場合は、設定内容を見直し、必要に応じて認証局のサポートを受けましょう。
VMC(企業ロゴ所有証明書) byGMOのサービス内容

画像引用元:VMC(企業ロゴ所有証明書) byGMO
「VMC(企業ロゴ所有証明書) byGMO」では、商標登録済みの企業ロゴと認証済みマークをメールに表示できます。
EV SSL証明書と同等の厳格な審査を経て発行されるため、高い信頼性が保証されており、Gmailやauメール、Appleメールなどの主要メールサービスに対応しています。
複数ドメインで同じロゴを使用したい場合は、SANオプションを利用することで証明書を1枚にまとめられ、管理コストを削減可能です。
DMARC設定に不安がある企業様には、設定代行を含めた「ロゴ付きメール導入支援」サービスも提供しています。
VMCの導入を検討している企業様は選択肢の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
この記事では、VMCの概要やメリット・デメリット、取得までの流れについて解説しました。
VMCは、送信メールに商標登録済みの企業ロゴを表示できる電子証明書であり、BIMI規格と連携して機能します。
メールセキュリティの強化、企業ブランドの信頼性向上、メール到達率・開封率の改善といったメリットがある一方で、商標登録とDMARC設定が必須となり、継続的なコストが発生する点には注意が必要です。
フィッシングメールやなりすましメールが増加する中、VMCは送信元の信頼性を証明する有効な手段として注目されています。
導入を検討する際は、「VMC(企業ロゴ所有証明書) byGMO」のようなサービスも選択肢として比較してみてください。
文責:GMOインターネットグループ株式会社