ファイアウォールとは?仕組み・種類・機能・選び方を徹底解説

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「ファイアウォールとは何か?本当に導入すべきのか?」という疑問を抱えている方もいるでしょう。ファイアウォールは、IT分野において通信や脅威から保護するセキュリティシステムです。

パケットフィルタリングやアプリケーションレベルゲートウェイなど複数の種類があり、設置場所や機能によって防御効果が変わります。

この記事では、ファイアウォールの仕組みや種類、導入しないリスク、選定ポイントについて解説します。

目次

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  1. ファイアウォールとは
  2. ネットワークセキュリティとの違い
  3. ファイアウォールの仕組み
  4. ファイアウォールの種類
  5. パケットフィルタリング
  6. サーキットレベルゲートウェイ
  7. アプリケーションレベルゲートウェイ
  8. ファイアウォールの設置場所
  9. 全社内ネットワークの外側
  10. 公開サーバーの内側
  11. 2台直列設置
  12. ファイアウォールの機能
  13. フィルタリング機能
  14. IPアドレス変換機能
  15. ログ監視機能
  16. ファイアウォールを導入しない主なリスク
  17. 不正アクセス
  18. DDoS攻撃
  19. マルウェア感染
  20. 情報漏洩
  21. 業務継続の阻害
  22. ファイアウォールを選定する際の重要ポイント
  23. 種類
  24. 機能性
  25. 拡張性
  26. コストパフォーマンス
  27. サポート体制
  28. ファイアウォール以外に必要なセキュリティ対策
  29. メールフィルタリング
  30. IDS/IPS
  31. UTM
  32. ウイルス対策ソフト
  33. 暗号化
  34. 多要素認証
  35. まとめ

ファイアウォールとは

ファイアウォール(Fire Wall)とは、IT分野において通信や脅威から保護するセキュリティシステムのことを指します。直訳すると「防火壁」ですが、現代ではIT分野で使用されることがほとんどです。

このファイアウォールは不正アクセスを遮断し、デバイスの安全性を保つ役割を担っていることから、WindowsやMacなどの主要なOSにはほぼ必ず搭載されています。企業や個人に限らず、デバイスを使用する上では非常に重要な存在だといえます。

特に企業でデバイスを使用する場合、デバイス内で機密情報を取り扱うことになるため、ファイアウォールの導入が必要不可欠です。近年、サイバー攻撃の手法が進化し続ける中で、ファイアウォールの必要性がますます向上しています。

【関連記事】サイバー攻撃とは?種類や被害事例、対策方法についてわかりやすく解説

ネットワークセキュリティとの違い

ネットワークセキュリティが情報保護の全体戦略を指すのに対し、ファイアウォールは具体的な防御技術として機能します。

包括的なセキュリティ対策には暗号化技術やアクセス制御、監視システムなどが含まれますが、ファイアウォールは通信制御に特化した防御手段といえます。

企業のIT環境を守るためには複数のセキュリティ技術を組み合わせる必要があり、その中核となるのがファイアウォールです。

ネットワーク全体の安全性確保には総合的なアプローチが欠かせませんが、ファイアウォールは最前線で不正な通信を遮断する役割を担います。

ファイアウォールの仕組み

ファイアウォールは外部からの通信を監視し、事前に定められたルールに基づいて通信の可否を判断して脅威を防ぐ仕組みです。例えば、特定のIPアドレスからの通信のみを許可する、特定の通信ポートを使用する通信のみを許可する、などの方式で利用されます。

ファイアウォールは大きく以下2つのカテゴリーに分類され、それぞれで保護する主な対象が異なります。

カテゴリー 特徴
パーソナルファイアウォール パソコンやスマートフォン、タブレットなどのデバイスを主に保護する
ネットワーク用ファイアウォール 社内ネットワークなどのネットワーク全体を主に保護する

総務省が公開している「国民のためのサイバーセキュリティサイト」によると、ファイアウォールは「外部のネットワークと内部のネットワークを結ぶ箇所に導入することで、外部からの不正な侵入を防ぐことができるシステムのこと。またはシステムが導入された機器。」と説明されています。

企業や個人がインターネットに接続する際には、ファイアウォールが第一の防衛ラインとして機能しています。

ファイアウォールの種類

ファイアウォールは複数の方式で通信の可否を判断しています。その主な種類として、以下3つのタイプをそれぞれ解説します。

  1. パケットフィルタリング
  2. サーキットレベルゲートウェイ
  3. アプリケーションレベルゲートウェイ

各方式を1つずつ見ていきましょう。

パケットフィルタリング

パケットフィルタリングは、ネットワーク上の通信データを「パケット」という小さな単位で解析して判断する方式です。具体的には、パケットの送信元アドレスや宛先アドレス、使用されるポート番号などの情報を基に判断します。

導入のメリットは、シンプルな構造で処理が単純であり、通信速度を確保できる点です。柔軟な設定が可能である一方で、設定を間違えると脆弱性が生まれるという難点があります。

また、パケットの中身までは検査しない特性上、偽装されたパケットの検知や、複雑な攻撃手法に対応することは困難です。一般的なセキュリティ対策法として知られています。

サーキットレベルゲートウェイ

サーキットレベルゲートウェイは、コネクション単位で通信の可否を判断する方式です。対象となるネットワークの中継役としての役割を果たし、ポート指定や制御を可能にします。

いわゆるパケットフィルタリングの進化版であり、パケットフィルタリングが防げない複雑な攻撃手法にも対応できます。さらに設定や運用が比較的容易で、アプリケーションやソフトウェアごとの設定も可能です。

アプリケーションレベルゲートウェイ

アプリケーションレベルゲートウェイは、HTTPやFTPなどのアプリケーションプロトコルごとに検査・解析する方式です。プロキシ(代理)サーバーを介して切り離す方式なので、「プロキシ型ファイアウォール」とも呼ばれます。

アプリケーションレベルゲートウェイの利点は、強固なセキュリティを構築できる点です。他の方式よりも詳細に通信を制御でき、なりすまし型の不正アクセスの対策に強い傾向があります。

ただし、詳細な検査を行うため、ネットワークのパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があるほか、設定や管理が複雑になることも考えられます。運用には一定のデメリットが伴うことを覚えておきましょう。

ファイアウォールの設置場所

企業のネットワーク環境や保護対象によって、ファイアウォールの適切な配置場所は異なります。以下、代表的な設置パターンとそれぞれの特徴について解説します。

全社内ネットワークの外側

インターネットと企業ネットワークの境界線にファイアウォールを配置する最も基本的な防御方法です。外部からの攻撃を入口で食い止めることで、社内システム全体を効率的に保護します。

この配置方法では、すべての外部通信が必ずファイアウォールを経由するため、不審な通信パターンの検知や遮断が一元的に行えるという利点があります。

ただし、単一障害点となるリスクがあるため、機器の冗長化や定期的な設定の見直しが必要です。

公開サーバーの内側

外部公開が必要なWebサーバーやメールサーバーの背後にファイアウォールを設置する方法です。公開サーバーへの攻撃が成功しても、内部ネットワークへの被害拡大を防げます。

この配置では公開サービスへのアクセスは許可しつつ、それ以外の不正な通信は遮断するという細かな制御が求められます。

サーバーが攻撃を受けた際の二次被害を最小限に抑える効果があり、機密データを扱う内部システムの安全性を高められるのが特徴です。

ECサイトや企業ポータルなど、外部公開が必須のシステムを運用する企業には欠かせない配置方法です。

2台直列設置

異なる役割を持つファイアウォールを2台直列で設置する方法です。多層防御を実現する高度なセキュリティ構成として知られています。

この構成ではDMZ(非武装地帯)と呼ばれる中間領域を作り、公開サーバーを安全に配置することが可能になります。

外部からのアクセスが必要なシステムと、完全に保護すべき内部システムを物理的に分離できるため、セキュリティレベルの使い分けが容易です。

管理の複雑さは増しますが、万が一1台目が突破されても2台目で攻撃を阻止できる安心感があります。金融機関や大企業など、高度なセキュリティが求められる環境で採用されています。

ファイアウォールの機能

ファイアウォールは企業のネットワークや、個人のデバイスを保護するための重要なセキュリティとして広く認識されています。その背後にはいくつかの機能が存在し、複数の機能が組み合わさることで高度なセキュリティを実現しています。

  1. フィルタリング機能
  2. IPアドレス変換機能
  3. ログ監視機能

これらの機能を理解することで、ファイアウォールの必要性をより実感できるはずです。以下、各機能の詳細を順番に解説します。

フィルタリング機能

フィルタリング機能は、ファイアウォールの最も基本的な機能の1つです。事前に送信元/送信先のルールを設定し、その設定に基づいて通信の可否を判断します。

具体的には、送信元や宛先のIPアドレス、使用されるポート番号、通信のプロトコルなどの情報を基に、通信が安全かどうかを判断します。このフィルタリング機能により、不要な通信や潜在的な脅威を持つ通信を排除することが可能です。

IPアドレス変換機能

ファイアウォールはIPアドレス変換機能も持ち合わせており、これは通常NAT(Network Address Translation)として知られている技術です。

この機能は、インターネット上で主に使用する「グローバルIPアドレス」と、社内ネットワークで活用する「プライベートIPアドレス」を変換する役割を果たします。

▼IPアドレスとは
通信相手を識別するための番号。または、デバイスに割り当てられるインターネット上の住所的なもの。

具体的には、企業内部のネットワークとインターネットとの間で、内部のIPアドレスと外部のIPアドレスを相互に変換します。この変換機能により、企業内部のネットワーク構造を外部から秘匿(ひとく)することが可能です。

外部からは内部ネットワークのIPアドレスを直接知ることができず、攻撃の対象となるリスクを軽減できるほか、IPアドレスを有効活用しやすくなります。

ログ監視機能

ログ監視機能は、ファイアウォールを通過する全ての通信に関する情報を記録し、それらのログをリアルタイムで監視する機能です。このログには、通信の送信元と宛先のIPアドレス、使用されたポート番号、通信結果(許可・拒否)などの情報が含まれます。

この機能の主な役割は、不正アクセスやサイバー攻撃の試みを迅速に検出し、それに対するアラートを管理者に伝えることです。通知を受け取った管理者は、ログの情報を基に対策を行うことができます。

事後分析においても、ログ情報は攻撃の原因や手法を解析する上で非常に有用です。

ファイアウォールを導入しない主なリスク

ファイアウォールなしでネットワークを運用すると、企業に深刻な被害をもたらす可能性が高まります。ここでは、導入を怠った場合に直面する主要なリスクについて解説します。

不正アクセス

防御壁のないネットワークは攻撃者にとって格好の標的となり、簡単に侵入を許してしまいます。

侵入者は内部システムを自由に探索し、重要なファイルの改ざんや削除、さらには管理者権限の奪取まで行う可能性があります。

一度侵入を許すと、長期間にわたって気付かれずに情報が流出し続けるケースも少なくありません。

顧客情報の漏洩は企業の信頼失墜につながり、法的責任や賠償問題に発展する恐れもあります。不正アクセスの詳細は以下の記事で解説しています。

【関連記事】不正アクセスとは?代表的な手口と被害に遭わないための対策

DDoS攻撃

DDoS攻撃は、大量の通信を一斉に送り込んでサーバーやネットワークを麻痺させる攻撃です。正常なサービス提供が不可能になり、ビジネスに直接的な打撃を与えます。

ECサイトであれば売上機会の損失、金融機関であれば取引停止による顧客への影響など、業種によって被害の深刻度は異なりますが、いずれも企業活動に重大な支障をきたします。

復旧には時間とコストがかかり、その間の機会損失も計り知れません。DDoS攻撃について知りたい場合は以下の記事をご確認ください。

【関連記事】DDoS攻撃とは?主な種類と5つの対策方法を紹介

マルウェア感染

ウイルスやランサムウェアなどの悪意あるプログラムが容易に侵入し、瞬く間にマルウェアが広がってしまいます。

特にランサムウェアに感染した場合、重要なデータが暗号化され、身代金を要求される深刻な被害を受ける可能性があります。復旧が極めて困難になるケースも珍しくありません。

マルウェア対策を怠ることは、企業の存続を脅かす致命的なリスクを抱えることと同義であるため、効果的なファイアウォールの設置が求められます。マルウェア対策の詳細は以下の記事で解説しています。

【関連記事】マルウェアの対策方法とは?感染前後の対処法を詳しく紹介!

情報漏洩

機密データや個人情報が外部へ流出した場合、企業は甚大な損害を被ることになります。

情報漏洩が発覚すれば監督官庁への報告義務や被害者への謝罪、損害賠償請求への対応など、膨大な事後処理に追われることになるでしょう。

企業イメージの失墜により新規顧客の獲得が困難になり、既存顧客の信頼も失われます。

業務継続の阻害

セキュリティ事故によってシステムが停止すると、日々の業務遂行が極めて困難な状況に陥ります。受注処理や在庫管理、経理業務などが滞り、組織全体が機能不全を起こしてしまうのです。

従業員は手作業での対応を強いられることになり、そうなると効率は大幅に低下し、ミスも頻発しやすくなるという悪循環に陥ります。

納期遅延や品質低下により顧客満足度が著しく低下し、競合他社への流出を招く結果となるでしょう。

長期化すれば従業員のモチベーション低下や離職率上昇といった二次的被害が発生するほか、企業の競争力そのものが失われる危険性もあります。

ファイアウォールを選定する際の重要ポイント

適切なファイアウォール選定は、企業のセキュリティ戦略の成否を左右する重要な決断となります。ここでは、製品選定時に検討すべき主な評価項目について詳しく解説します。

種類

パケットフィルタリング型やアプリケーションレベルゲートウェイ型など、ファイアウォールには動作原理の異なる複数のタイプが存在します。

それぞれに長所と短所があり、保護対象や運用環境に応じた選択が求められます。

小規模環境では管理が容易なパケットフィルタリング型が適していますが、より高度な防御が必要な場合はアプリケーションレベルゲートウェイ型の採用を検討すべきです。

次世代ファイアウォール(NGFW)は従来型の機能に加えてアプリケーション識別やユーザー認証機能も搭載しており、包括的な防御を実現するのが特徴です。

自社のIT環境と将来的な拡張計画を踏まえ、最も適した種類を見極めることが重要となります。

機能性

通信制御の精密さやログ収集機能の充実度は、日々のセキュリティ運用の質を大きく左右する要素です。必要な機能が不足していれば、追加投資や運用の工夫で補う必要が生じます。

製品を選定する際は、ファイアウォールの基本機能だけでなく、以下のような付加機能もチェックしましょう。

▼ファイアウォールの付加機能

  • VPN機能
  • コンテンツフィルタリング機能
  • 帯域制御機能

また、管理画面の使いやすさは運用効率に直結するため、実際の操作感を事前に確認することをおすすめします。

現在の要件だけでなく、3年後、5年後のビジネス環境を見据えた機能性の評価が欠かせません。

拡張性

事業成長に伴うトラフィック増加やユーザー数拡大に柔軟に対応できる製品選びが、長期的な投資効果を高めます。

ハードウェアタイプなら、ライセンス追加やモジュール増設で性能向上が図れるかどうかを確認しましょう。複数台を連携させることで、処理能力を段階的に強化できる製品も存在します。

初期投資を抑えながら段階的な機能拡張が行える製品を選択することで、総保有コストの最適化が実現します。

コストパフォーマンス

製品価格だけでなく、導入から廃棄までのサイクル全体でコストを評価することが重要です。初期費用には機器代金のほか、設計や構築、移行作業の費用も含まれることを忘れてはいけません。

年間保守料やライセンス更新費、サポート契約料などのランニングコストも考慮し、自社の利用パターンに応じた詳細な試算が重要となります。

投資対効果を正確に見積もり、予算内で最大限のセキュリティ強化を実現する選択を心がけましょう。

サポート体制

トラブル発生時の迅速な対応は、被害を最小限に抑える上で極めて重要な要素となります。

技術者のスキルレベルや対応言語、平均応答時間などは、サポート品質を判断する上で重要な評価ポイントです。

導入支援や運用トレーニングの充実度により、スムーズな立ち上げと安定運用が実現するかどうかが決まるため、導入前に各種サポートの充実度をチェックしておきましょう。

ファイアウォール以外に必要なセキュリティ対策

多層防御の観点から、ファイアウォール単独では十分なセキュリティを確保できません。以下、組み合わせることで防御力を高める主要なセキュリティ対策を紹介します。

メールフィルタリング

送信元の信頼性評価や添付ファイルのスキャンにより、危険なメールを受信前に排除する仕組みです。

AIを活用した最新のソリューションでは、文面の不自然さや送信パターンの異常を検知し、巧妙化するビジネスメール詐欺にも対応しています。

誤検知による重要メールの見逃しを防ぐため、隔離メールの定期確認機能も重要な要素となります。従業員への定期的な訓練と組み合わせることで、人的要因によるリスクも低減できるでしょう。

IDS/IPS

不正侵入検知システム(IDS)と不正侵入防止システム(IPS)は、ネットワーク内部の異常な動きをリアルタイムで監視する技術です。

通常とは異なる通信パターンや既知の攻撃手法を検知した際に、即座にアラートを発したり、通信を遮断したりする機能を持ちます。

ファイアウォールが防げなかった攻撃や内部からの不正行為も検知できる点が特徴です。適切にチューニングすれば強力な防御層として機能します。

運用には専門知識が必要となりますが、SOCサービスを活用すれば、24時間体制での監視も実現できます。SOCの詳細については以下の記事をご確認ください。

【関連記事】SOC(Security Operation Center)とは?主な業務内容や運用形態、構築する際のポイントを徹底解説

UTM

統合脅威管理(UTM)は、ファイアウォールやアンチウイルス、IPS、Webフィルタリングなど複数のセキュリティ機能を1つに統合したソリューションです。

個別にセキュリティ対策を実施するよりも管理が簡素化され、運用コストの削減につながります。

中小企業にとっては専任のIT担当者がいなくても、包括的なセキュリティ対策を実現できる現実的な選択肢となるでしょう。

ただし、全機能を有効にすると処理性能が低下する場合があるため、必要な機能を見極めて導入することが重要です。

ウイルス対策ソフト

エンドポイントに侵入しようとするマルウェアを検出・駆除する基本的な防御手段として、今でも重要な役割を担っています。

最近のソリューションではAI技術を活用した振る舞い検知機能も搭載され、未知のマルウェアへの対応力が飛躍的に向上しました。

EDR(Endpoint Detection and Response)機能を持つ製品では、感染後の詳細な調査や対処も可能となっています。クラウド管理型の製品を選択すれば、テレワーク環境でも一元的な管理と保護を実現できます。

暗号化

データの送信時と保存時に暗号化処理を施すことで、万が一の情報漏洩時でも内容の解読を困難にできます。

SSL/TLSによる通信暗号化は、Webサービスやメールの安全性確保に欠かせない基本技術です。

暗号鍵の適切な管理が運用の要となるため、鍵管理システムの導入や運用ルールの整備も同時に進める必要があります。暗号化の詳細については以下の記事で解説しています。

【関連記事】暗号化とは?主な方式の種類や暗号化・復号化の仕組み、やり方について解説

多要素認証

パスワードだけでなく、生体認証やワンタイムパスワード、ハードウェアトークンなどを組み合わせることで認証強度を高める仕組みです。

単一の認証要素では、パスワードの流出や推測により簡単に突破される危険性があります。

多要素認証を導入することで、仮にパスワードが漏洩しても不正ログインを防ぐことができ、アカウント乗っ取りのリスクを大幅に軽減できるのです。

スマートフォンアプリを利用した認証方式は導入コストが低く、ユーザーの利便性も高いため広く普及しています。多要素認証については以下の記事で解説しています。

【関連記事】多要素認証(MFA)とは?二要素認証・二段階認証との違いやメリットを解説

まとめ

この記事では、ファイアウォールの仕組みや種類、導入しないリスク、選定ポイントについて解説しました。

ファイアウォールは企業の情報資産を守る重要な防御壁として、不正アクセスやDDoS攻撃、マルウェア感染といった脅威から組織を保護します。

適切な製品選定には、種類・機能性・拡張性・コストパフォーマンス・サポート体制の検討が必要です。

また、メールフィルタリングやIDS/IPS、暗号化などの対策と組み合わせることで、より強固なセキュリティ体制を構築できます。

企業のセキュリティ対策強化に向けて、ぜひこれらの情報を参考に最適なファイアウォール導入を検討してみてください。

文責:GMOインターネットグループ株式会社