DLPとは?データ保護の基本機能から導入メリット・注意点まで解説

DLPとは、企業の機密情報や個人データの外部流出を防ぐために監視や制御を行うセキュリティソリューションのことです。

具体的には、メール送信やデバイスへのコピー、印刷操作などを監視し、不正なデータ送信をリアルタイムで検知して遮断する仕組みを持っています。

これらの機能を複合的に活用することで、内部不正やヒューマンエラーによる情報漏洩を効果的に防げます。しかし、導入前にビジネス要件の定義やコストの把握など、適切な計画が必要です。

この記事では、DLPの仕組みや基本機能、導入するメリット、導入時の重要ポイントについて詳しく解説します。

目次

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  1. DLPとは
  2. DLPが注目されている理由
  3. DLPの仕組み
  4. DLPの基本機能
  5. コンテンツ監視機能
  6. デバイス制御機能
  7. 印刷・コピー制限機能
  8. Webセキュリティ機能
  9. メールセキュリティ機能
  10. システム運用・管理機能
  11. DLPを導入するメリット
  12. ヒューマンエラーによる情報漏洩を防げる
  13. 不審な動きをリアルタイムで検知できる
  14. 運用・管理コストの軽減に繋がる
  15. DLP導入時の注意点・重要ポイント
  16. 導入前にビジネス要件を定義する
  17. 運用・導入コストを把握する
  18. 自社に必要なスペックを確認する
  19. 適切なDLP提供方法を選択する
  20. サポート・無料トライアルの有無をチェックする
  21. まとめ

DLPとは

DLPとは、企業の機密情報や個人データの外部流出を防ぐために監視や制御を行うセキュリティソリューションのことです。

「Data Loss Prevention」の略称であり、日本語では「情報漏洩防止」や「データ損失防止」と呼ばれています。

ネットワークやエンドポイントを監視しながら、不正なデータ送信をリアルタイムで検知して遮断する仕組みを持っています。

従来のセキュリティ対策が外部からの攻撃を防ぐことに重点を置いていたのに対し、DLPは内部からの情報流出防止に特化している点が特徴です。

クレジットカード番号や社会保障番号、営業秘密といった重要データの移動を追跡します。

DLPが注目されている理由

内部不正やヒューマンエラーによる情報漏洩リスクが年々高まっており、企業の危機意識が急速に高まっています。

情報漏洩の原因は「外部要因」と「内部要因」に分けられ、DLPは内部要因に対して特に高いセキュリティ効果を発揮します。

退職予定者による顧客データの持ち出しやメール誤送信による機密情報の流出など、悪意の有無にかかわらず情報漏洩の被害は深刻です。

リモートワークの普及で業務環境が多様化したことも、DLP需要を押し上げる要因となりました。

また、クラウドサービスの利用拡大により、データの管理場所が分散化して統制が困難になっていることも注目されている理由の1つです。

【関連記事】情報漏洩が起こる原因や具体的なリスクとは?企業向けの対策も解説

DLPの仕組み

DLPはデータの内容や属性を詳細に分析した後、予め設定したポリシーへ照合する仕組みで、動作しています。

具体的には、キーワードマッチングや正規表現、フィンガープリントなどの手法を組み合わせて機密データを特定する仕組みです。

▼DLPの判別方法

キーワードマッチングや正規表現 指定した文字列やパターンがデータ内に含まれるかどうかで機密情報を識別する手法
フィンガープリント 文書全体の構造や特徴的なパターンから機密性を判定する手法

データの送信先やアクセス権限、時間帯などの条件を複合的に判断し、リスクレベルを評価する仕組みも搭載されています。

DLPの基本機能

DLPには情報漏洩を多角的に防ぐための複数の機能が搭載されています。ここでは、企業のデータ保護を実現する主要な機能をそれぞれ解説します。

コンテンツ監視機能

ファイルやメールの内容をスキャンする機能であり、機密情報の有無を自動判定します。クレジットカード番号や個人情報といった機密データパターンを検出して制御する仕組みです。

送信前のリアルタイムチェックにより、重要な情報が誤って外部に流出するリスクを低減でき、企業固有の機密情報にも柔軟に対応します。

デバイス制御機能

デバイス制御機能は、社内で使用しているパソコンやスマートフォンなどのデバイスを一元管理し、マルウェアや不正アクセスなどから保護する機能です。

デバイスごとに読み取り専用やアクセスの禁止といった細かな権限設定が行えるため、業務効率を損なわずセキュリティを強化できます。

印刷・コピー制限機能

機密文書の印刷やスクリーンショット取得を制御する機能であり、物理的な情報流出を防ぎます。ユーザーごとの印刷権限設定により、不正なドキュメント複製を抑制する仕組みです。

透かしや印刷ログの記録機能を組み合わせれば、万が一の流出時にも追跡調査が行える体制を整えられます。テレワーク環境では特に重要な対策となり、在宅勤務中の情報管理強化に貢献します。

Webセキュリティ機能

Webセキュリティ機能は、危険性の高いWebサイトへのアクセスを制限する機能です。企業ポリシーに違反するWebサイトへのアクセスやデータ送信をブロックします。

シャドーITの利用を検知できるため、管理者が把握していないWebサイトへの情報流出を未然に防げる点が特徴です。URLフィルタリングと組み合わせることでより高い効果を発揮します。

メールセキュリティ機能

送信メールの添付ファイルや本文を自動スキャンする機能であり、機密情報の流出を検知します。宛先アドレスの妥当性チェックにより、誤送信による情報漏洩を未然に防ぐ仕組みです。

ドメイン名の類似性や送信先の件数を確認し、不審なメール送信には警告が表示されます。

承認ワークフローを設定しておけば、重要度の高いメールは上長の確認を経てから送信されるため安心です。

システム運用・管理機能

システム運用・管理機能は、全てのデータアクセスやファイル操作が記録され、監査証跡として保管される機能です。

インシデント発生時には詳細なログから原因を特定でき、迅速な対応を実現する体制が整います。

アラート機能が異常な操作パターンを即座に検知するため、被害の拡大を最小限に抑えられる利点があります。

DLPを導入するメリット

DLP導入を通じて企業のセキュリティレベル向上が期待できます。ここでは、DLP活用によって得られる具体的なメリットを紹介します。

ヒューマンエラーによる情報漏洩を防げる

従業員の操作ミスや誤送信を自動検知した際、リアルタイムで警告を発する機能が備わっています。意図しない情報流出を未然に防ぐため、企業の信頼性を維持できる重要なメリットです。

また、添付ファイルの送信先や本文に含まれる機密情報を事前チェックする仕組みにより、宛先間違いやファイル取り違えといった単純なミスも防げます。

人為的なミスは完全に排除するのが困難ですが、DLPによる自動検知機能があれば大幅なリスク軽減を図れます。

不審な動きをリアルタイムで検知できる

DLPを導入すれば、通常と異なるデータアクセスパターンや大量ファイル送信を即座に把握する監視体制が構築されます。

内部不正や外部からの攻撃による情報窃取を早期に発見し、対処する体制を整えられる点がDLPの大きな強みです。

例えば、深夜帯の異常なログインや業務範囲外のファイルアクセスなど、平時とは異なる動作が発生した場合には管理者へアラートが送信され、情報漏洩による損失を最小限に抑えられます。

運用・管理コストの軽減に繋がる

手動によるセキュリティチェック作業を自動化し、人的リソースを削減できるメリットがあります。

従来は担当者が目視で確認していた膨大なログやメール内容の監査が、DLPの利用により自動化されるため、本来注力すべき業務に時間を割けるようになります。

管理画面から全ての状況を把握できる環境が整えば、セキュリティ運用の属人化を防ぎつつ組織全体の対応力を強化できるでしょう。

DLP導入時の注意点・重要ポイント

DLP導入を成功させるには事前の計画と適切な選定が不可欠です。以下、導入時に注意すべきポイントを具体的に解説します。

導入前にビジネス要件を定義する

自社で保護すべき情報の種類や範囲を明確化した上で、ポリシーを策定する必要があります。過度な制限による生産性低下を避ける設計が求められる重要な検討事項です。

どの部署のどのようなデータを保護対象とするか、アクセス権限をどう設定するかといった細かな要件を洗い出しておけば、導入後の運用がスムーズに進みます。

現場の業務フローを理解した上で最適なルール設計を行うことが、DLP導入成功への第一歩となります。

運用・導入コストを把握する

DLPを導入する前に、運用保守費用やライセンス更新費用を含めたトータルコストを試算しておく必要があります。

長期的なコスト負担を考慮しながら予算内で実現可能な製品を選択することが大切です。

ハードウェア購入やクラウド利用料のほか、システム構築費用や従業員向けトレーニング費用なども発生します。総合的な視点での予算計画が欠かせません。

年間の運用コストを事前に把握しておけば、経営層への説明もスムーズに進められます。

自社に必要なスペックを確認する

保護対象データの量や従業員数に応じた処理能力を持つ製品を選ぶ作業が重要となります。将来的な事業拡大を見据えて、拡張性のあるソリューションを検討すべきです。

現在のデータ量だけでなく、今後3年から5年の成長予測を踏まえた容量設計を行わなければ、短期間で再投資が必要になるリスクがあります。

スペック不足による動作遅延は業務効率に直結するため、余裕を持った性能選定を心がけましょう。

適切なDLP提供方法を選択する

DLPの提供方法には「EDLP」「IDLP」「CSPDLP」などの種類があり、それぞれ特徴が異なるため、比較検討した上で自社環境に適した形態を選ぶ必要があります。

エンドポイント保護を重視するならEDLP、ネットワーク全体を監視したい場合はIDLP、クラウド環境に対応するならCSPDLPといった選択肢があります。

運用体制や既存システムとの連携性も考慮した上で提供方法を決定しましょう。

サポート・無料トライアルの有無をチェックする

導入後のトラブル対応や技術支援が充実しているベンダーを選定する作業が欠かせません。

24時間365日のサポート体制や日本語対応の有無、オンサイト対応の可否などは、万が一の際に大きな差となって現れます。

試用期間中に現場の担当者から使い勝手の評価を集めることで、導入後のギャップを最小限に抑えられるでしょう。

まとめ

この記事では、DLPの仕組みや基本機能、導入するメリット、導入時の注意点について解説しました。

DLPには、コンテンツ監視機能やデバイス制御機能、印刷・コピー制限機能、メールセキュリティ機能、Webセキュリティ機能など、情報漏洩を多角的に防ぐための複数の機能が搭載されています。

これらの機能を活用することで、ヒューマンエラーによる情報漏洩の防止や不審な動きのリアルタイム検知、運用コストの軽減を実現できます。

企業規模を問わずDLPの導入が重要であり、導入前にビジネス要件の定義やコスト把握、適切な提供方法の選択といった事前計画を十分に行うことが欠かせません。

企業の情報資産を守り抜くためにも、DLP導入を含めた継続的なセキュリティ対策を実施することを推奨します。

なお、企業が行うべきセキュリティ対策については以下の記事で解説しています。

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文責:GMOインターネットグループ株式会社